適応障害
適応障害とは、自分の置かれた環境からストレスを受けて症状をきたし、その環境の外であればその症状は消失する、という環境にとても依存した病気です。ご本人の甘えと捉えられてしまうこともありますが、このような環境が合わないという状況は誰にでも起こりますし、決して甘えではありません。
症状は、
情動面では、気分の落ち込みやイライラ、不安・緊張・焦燥
行動面では、飲酒や遅刻欠席
認知面では、記憶力・判断力・理解力・集中力の低下
身体面では、倦怠感、めまい・耳鳴り、嘔気・嘔吐、動悸・息切れ、頭痛、胸痛、多汗・のぼせ・冷え、食欲不振あるいは過食、不眠、微熱などの自律神経症状
等が出現します。
職場での人間関係、仕事の量や責任の重さがストレスとなり、出社できない状態が職場への適応障害です。出社できていても、朝、めまいや動悸、吐き気などがして、無理矢理身体を動かして出社している場合も適応障害の状態と言えます。また、自宅にいても、仕事のことを考えている状態では症状は出現します。
家庭内での人間関係にストレスを感じて、自宅にいると頭痛がしたり過呼吸になる状態が家庭への適応障害です。自宅を離れていれば症状は改善します。ただ、また自宅に帰らなければならないことを考え出すと症状は出現します。
ストレスによって、容易に自律神経に影響がでるため、自律神経失調症と診断されている方もおられます。
治療
基本的には環境をご自身のストレスがなるべく少ない状態に調整することが大切になります。それにはとても時間がかかることもありますし、すぐにうまくいくこともあります。ご本人とご家族の希望をよく聞いて、環境調整していくことになります。
症状に対しては、対症療法的に薬物療法を行います。