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認知症

物忘れが目立ち日常的な新しいことが覚えられなくなります。

今自分がいるその場所や季節や時間についての感覚やよく知っているはずの人のことをわからなくなったりします。道に迷ったり、夏なのに厚着をしたり、約束の時間を守れなかったり、近所の人にあなたどなた?と聞いたりします。ご飯が作れなくなったり、掃除をしなくなったり、今まで使えていたATM等の操作やテレビのリモコンの使い方がわからなくなったりします。だんだんと、言葉を話す、服を着替える、スプーンでご飯を食べるということも難しくなってきます。入浴やトイレにも問題が起きてきます。

以上のような認知症としての根本的な症状を中核症状と呼びます。

そして、認知症にはその中核症状から起ってくる二次的症状が出現することが有りそれを周辺症状と呼びます。「私のお金をとったでしょ」、「トイレに変な人がいる」、自宅にいるにもかかわらず「家に帰りたい」、おとなしかった夫が人が変わったように怒鳴る、など幻覚・妄想、徘徊、異食・過食・拒食、不安・抑うつ、暴言・暴力が出現して来ることがあるのです。中には、中核症状よりも先に周辺症状が顕著に出る方もおられます。精神科は主に、この周辺症状の中の幻覚妄想、不安抑うつ、暴言暴力にお薬で対応させていただくこととなります。

また、認知症には大きく5つのタイプがあってこのタイプを見分けることも重要です。アルツハイマー型認知症、血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症(行動異常型、意味性認知症、進行性非流暢性失語にわかれる)、嗜銀顆粒性認知症、神経原線維変化型認知症の6つです。それぞれのタイプによって出現しやすい周辺症状がありますので、その対策も必要となります。

 

現在、認知症の進行を遅らせる治療としては、抗認知症薬の内服とレカネマブの点滴注射があります。抗認知症薬の内服治療は、アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症の方に効果があり適応があります。レカネマブは、軽度アルツハイマー型認知症の方、軽度認知障害(MCI)の方に適応があります。レカネマブの治療は、小田原市立病院で行うことになり、アミロイドβやMRIなどの検査を行って厳格な診断と厳格な適応の判断のもと、18ヶ月の間の2週毎の点滴治療となります。

抗認知症薬であってもレカネマブであってもいずれも進行を遅らせるための手段であり、根治させるお薬ではありません。また、アルツハイマー型認知症とレビー小体型認知症以外のタイプの方には、進行を遅らせる薬さえもありません。しかし、認知症治療で大事なことは、その方がその方らしく笑って過ごせることだと思っています。そのための支援をしていきます。

当院ではCTを撮影することができません。診断にはCTあるいはMRIが必須となります。CTをいずれかの病院で撮影してきていただくか、他施設にCTを撮りに行っていただくことになります。最初からCTあるいはMRI設備のある精神科や神経内科の受診もよかろうとも思います。

 

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