睡眠関連摂食障害、他
睡眠に関連する疾患を取り上げます。
レム睡眠時行動障害、夢遊病(睡眠時遊行症)、睡眠関連摂食障害(夜間摂食症候群とは異なり、夜間摂食症候群については別ページに記載)、睡眠中のこむら返り、むずむず脚症候群、悪夢、睡眠時無呼吸症候群、ナルコレプシー、等があります。
レム睡眠行動障害とは、レム睡眠という脳が活発に活動していて夢を見てからだの方が休んでいる時間に、身体の筋肉の力が低下せず身体が動いてしまう病態です。目は閉じていて、はっきりとした言葉と共に、殴ったり蹴ったりするような素早い動きをします。起こすと目が覚めます。夢の内容と動きが合致します。原因は、頭部外傷、頭部の炎症性疾患、パーキンソン病、レビー小体型認知症、等です。治療は、クロナゼパムや抑肝散です。
夢遊病とは、ノンレム睡眠という深く眠っているときに起こる病態です。目は開いていて歩いたりしますが、起こしても起きません。そのまま眠るように優しく促すと眠ってくれます。成長過程に起こることが多いですが、まれに、大人でも起こります。ストレスや睡眠不足が原因と考えられています。
睡眠関連摂食障害は、睡眠薬を内服中の方に多いのですが、夜間に眠ったあとで無意識に食べてしまう病態です。翌朝に食べたあとが残っていて、知らないうちに食べてしまったのだと気がついて、驚かれます。睡眠薬の変更が治療となります。睡眠薬を内服されていない方で睡眠関連摂食障害を生じている方には、クロナゼパムやトピラマートが効果を示します。
睡眠中のこむら返りは、痛みで目が覚めます。そのときにマッサージをすれば早くおさまりますが、日頃からのストレッチが有効と言われています。また、芍薬甘草湯をその場で内服すると効果があります。また眠前に芍薬甘草湯を内服しておくと予防できます。
むずむず脚症候群は、夕方から夜にかけて足がむずむずして眠れない疾患です。足の中が痒いと感じ、足を動かすと少し楽になります。鉄不足やドパミンの問題と言われています。血液検査にて鉄やフェリチンを測定します。治療は、タバコお酒カフェインを避けることが大切です。鉄剤を内服しても良くならない場合に、ガバペンチンエナカルビル、プラミペキソール、抑肝散、クロナゼパム、等を処方します。
悪夢には、いくつかの薬が有効です。お飲み頂くと、夢を見なくなる方、夢の内容を忘れるようになる方、夢を見ても悪い夢ではなくなる方など、効き方には個人差がありますが、どれかのお薬、または二つの薬を併用して頂くことで、悪夢に対処できます。
ナルコレプシーは、睡眠発作、情動脱力発作、睡眠麻痺、入眠時幻覚、を主症状とした疾患です。睡眠発作とは、日中にどんな状況であろうと突然眠ってしまうことです。情動脱力発作は、喜んだり悲しんだりした時に膝カックンがひとりでに起きたり、全身の力が抜けてしまって立ってられなくなったりします。睡眠麻痺とはいわゆる金縛りのことです。入眠時幻覚というのは、ナルコレプシーは夜眠ってすぐにレム睡眠となることから寝入った直後に夢を見てしまって、現実と夢の区別がつかず本当に起こったことのように思えてしまい、周囲から幻聴や妄想のようにとらえられてしまうというものです。診断のためには睡眠検査が必要で、当院では睡眠検査を行うことができず確定診断ができないため、睡眠検査のできる病院に紹介させて頂きます。
睡眠時無呼吸症候群は、眠っている間に何度も呼吸が止まってしまう疾患です。眠っても疲れがとれません。診断のためには睡眠検査が必要で、当院では睡眠検査を行うことができず確定診断ができないため、睡眠検査のできる病院に紹介させて頂きます。